企業見学を通して、学生たちはさまざまな学びを得ましたが、
一方で「専門用語が難しかった」「質問しにくかった」といった声も数多く寄せられました。
特に印象的なのは、理系の学生からも「説明の内容が難しい」という意見が出ていたことです。
「図や動画があれば、もっと理解できたかも」
「自分たちにとっては初めて聞く言葉ばかりだった」
「メモを取る暇もないくらい早く感じた」
知識の前提が違えば、同じ説明でも“伝わり方”は大きく変わります。
だからこそ、「これでもか」というほど丁寧に、噛み砕いて話すことが大切なのです。
そしてもうひとつ見逃せないのが、「質問しづらい空気」の存在です。
「聞きたくても、恥ずかしかった」
「こんなこと聞いていいのかなと思って遠慮した」
そんな声は少なくありませんでした。
でも実際には、質問すればするほど理解が進み、理解が深まれば深まるほど企業への関心や魅力も高まるのです。
レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉に、こんなものがあります:
「知ることが少なければ、愛することも少ない」
この言葉のとおり、学生たちが企業を“知る”機会を増やせば増やすほど、
その企業を“好きになる”可能性は確実に高まります。
企業の皆さんにお願いしたいのは、話し方の工夫と空気づくりの配慮。
- 専門用語はできるだけ言い換えて、例を交えて説明する
- たとえばスライドにイラストや図解、動画を入れる
- 「こんな質問も歓迎ですよ」と先に伝えてあげる
- 少人数制や座談会形式で、聞きやすい雰囲気をつくる
こうした小さな工夫の積み重ねが、学生にとっては大きな“理解の扉”になります。
伝えたつもりではなく、“伝わった実感”を。
そして、「もっと知りたい」と思ってもらえる場を、これからも一緒に育てていきましょう。
